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会社経営(digiCraft) 田中 雅巳 さん
生産技術支援・金型設計・品質管理等の仕事を経て、現在も一般企業に勤める一方で、趣味が高じて樹脂3Dプリンターを使用した製造設計会社を立ち上げた田中さん。
現在は、戸畑区にあるシェア工房「From Factory KITAKYUSHU」を拠点に、子どもへの教育や、若者のスタートアップ支援も行なっている田中さんへ、北九州市への想いやこれからの若者たちに向けての想いを伺いました。
北九州市に「ものづくりの文化」を広げること、そして創作の楽しさを学ぶ場を作りたい

ー現在の活動内容を教えてください。
製造業の会社に勤める傍ら、樹脂3Dプリンターを使って、オーダーメイドの制作をしています。例えば、廃盤になった部品を再現してほしいなどの中小企業からのオファーや、作業療法士と協力して、怪我や病気で低下した身体機能を補助する道具、例えばキャップオープナーなどを作業療法士と協力して開発するなど、クライアントの些細な困りごとや、細やかな配慮が行き届くよう、様々なニーズに応じてものづくりを行い、アイデアを形にしています。

ーなぜ今の事業を始めようと思ったのですか?
形にしたいけどそれを作る術がないという方が多く、その方々から直接お声がけ頂く機会が増え、仕事として受けるために「digiCraft」を立ち上げました。
元々、化学系の分野を学んでいましたが、会社で設計の仕事に携わるうちに興味を持ち、独学でスキルを身につけ、「ないなら作る」という発想を実際に形にしています。
ー住むこともできるシェア工房「From Factory KITAKYUSHU」に入居したきっかけは?
もともと自宅で作業していましたが、機材が増えていくにつれどんどん手狭になり、新しいスペースを探していたところに、From Factory KITAKYUSHUのSNS広告が目につき、費用や規模感がマッチして入居を決定しました。自宅作業よりも広く、静かで集中しやすい環境であること、そして工房内の交流スペースでは、「アイディアを持っている人」と「技術を持っている人」の交流によってクリエイティブな発想がそのまま形になっていく工程がみられ、これがほかにはない面白味だと思いますし、他の入居者と協力できる場として、今の自分にベストな環境だと感じてます。北九州市のものづくり文化とものづくりの楽しさを知ってもらうため、新しい仲間を増やしたいと考えています。そういう点でも、ここは今から何かを始めようとしている方にとっては、新たなコミュニティを形成するにはうってつけの場所だと思います。

ー北九州市への想い、そして若者たちへ一言お願いします。
北九州市には支援制度やコミュニティ、スタートアップ支援が充実しており、新しいことを始める環境が整っているので、若者は非常にチャレンジしやすいまちだと感じています。若者には「まず一歩踏み出すこと」を意識して欲しいですし、僕たちもそのサポートをしたいと思っています。私自身、最も楽しいと思える瞬間は自分で考えたものが形になった時です。この楽しさを、若者だけでなく地元の子どもたちに知ってほしいと思い、子ども向けの教育プログラムを検討しています。私も、3Dプリンターを通じて「ものづくりの文化」を若い世代に広げていきたいと思っています。

会社経営(digiCraft)
田中 雅巳
北九州市出身。若松区、戸畑区、八幡西区と一貫して地元で活動。子ども向けのワークショップやスタートアップ支援にも力を入れている。
- digiCraft : https://www.instagram.com/digi_craft_3d/
- シェア工房 From Factory KITAKYUSHU : https://from-factory.jp/