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漫画原作者 清水 海斗 さん
北九州市生まれの清水さん。北九州を舞台にしたサッカー漫画「ナリキンフットボール」の原作者として、北九州市で創作活動を続ける清水さんに、北九州市のまちの魅力について伺いました。
このまちで体験してきたことが、創作にチカラを与えてくれる。
ー漫画原作者を目指したきっかけは?
小学生の頃から漫画が好きで、中学生のときにある漫画に出会って、漫画原作者の存在を知りました。高校を卒業してから愛知県の鉄道会社に就職して、2年ほど駅員や車掌をやっていたのですが、あるとき漠然と将来を見通せた気がして。「もっと稼ぎたい」と思って、会社を辞めて北九州市にUターンしました。給料をもらうのではなく、自分のチカラで稼ぐことをしたかったので、イベント企画をはじめました。来てくれたお客さんからは好評だったのですが、すぐにコロナ禍になってイベント自体ができなくなって。家にいるしかなくなっていたとき、漫画原作者の夢を思い出して。とにかくやってみようということで、読み切り漫画のネーム制作をはじめました。
ー原作者としてデビューするまでは?
とにかくネームを描いては出版社に持ち込んで、というのを繰り返しました。5本くらい書いて、今の出版社に担当者をつけていただき、連載会議に出すネームを描くことになりました。そこから担当者と打ち合わせと編集会議への提出を重ね、3本目に描いたのが「ナリキンフットボール」です。書きはじめてから3年かかっています。他の方のケースを知らないので早いか遅いかはわかりませんが、連載がはじまったときはうれしいというより、変な感じ、不思議な感じがしました(笑)。
ー北九州市を舞台にされた理由は?
やはり地元で、昔から住んでいて愛着があるからですかね。実は、高校時代にサッカーをやっていて、ポジションはキーパーだったのです。漫画の舞台もそうなのですが、「サッカー」や「稼ぐこと」がテーマだったり、「主人公がストライカーじゃない」設定だったり、いろいろなところに、北九州で生まれこのまちで過ごしたバックボーンが影響して、作品にどこかリアリティを与えているのかもしれません。
ー北九州市で活動するメリットは?
地元でよく知っているまちなので安心感がありますし、人の多さとか商業・文化施設の充実度とか程よい都会加減で住みやすいところですね。それに住んでいる人の人柄がいい。困っている人がいたら放っておかずに助けてくれる。そんないい意味での田舎でもあります。デビューしてからは、作品のチラシやポスターをまちのいろいろな場所に掲出していただくなど、街ぐるみでの応援の熱量に驚かされました。それに、北九州市は家賃などの生活にかかる費用が安いですし、今は好きな街で創作できる時代なので、創作で生きていきたい人にぴったりかもしれません。
ー最後に今後の目標について教えてください。
有名な漫画原作者の方たちのように、なるべくたくさんの連載をヒットさせて、いいところに住みたいです(笑)。いまはとにかく、次の連載が決まることを目指して、日々ネームを描いています。いろんな物語を考えていますが、北九州市が舞台かどうかはここでは秘密にさせていただきます(笑)。ぜひ漫画になるのを楽しみにしておいてください。
漫画原作者
清水 海斗
北九州市小倉南区出身。高校を卒業後、就職のため愛知県へ。退職をきっかけにUターンして漫画を描きはじめ、2023年10月に漫画原作者として週刊誌に連載デビュー。2024年2月に単行本が発売される。