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プロ野球チーム 球団副代表 / 球団キャプテン北九州下関フェニックス さん (左)矢野 勇太 さん (右)中村 道大郎 さん

プロ野球チーム 球団副代表 / 球団キャプテン 北九州下関フェニックスさん (左)矢野 勇太 さん (右)中村 道大郎 さん

2021年に発足し、2022年にはじめてのシーズンを迎えた福岡北九州フェニックス※。初代キャプテンの中村選手と矢野球団副代表に今シーズンを振り返ってもらうとともに、このまちで野球を通して伝えたいメッセージなどをお話ししてもらいました。そこには、地域に密着したプロ野球チームだからこそ感じるまちの可能性がありました。(※2022年11月取材当時)

応援があるから挑戦できる。まちの熱さをチームの勢いに変えて。

ー2022年に初シーズンを迎えた福岡北九州フェニックスですが、一年間を振り返っていかがですか?

中村:自分の野球人生のなかで、こんなにいろんな経験をしたのははじめてですね。私は、北九州市の出身で、高校時代は戸畑高校でプレーしていました。高校最後の試合は北九州市民球場だったんです。そして、フェニックスの開幕戦で12年ぶりに北九州市民球場のグラウンドに立ちました。恩師や友人、家族が見守るなか、4打席目に打ったヒットは一生忘れないと思います。キャプテンとして、嬉しい思いも悔しい思いもしたシーズンでしたね。

矢野:あっという間の一年でした。初めての球団運営で慣れないことも多いなか、試合の準備をしてと、繰り返しているうちにシーズンが終わっていたという感じですね。そのなかで、中村キャプテンの話にもあるように、開幕戦は忘れられません。開幕戦は雨で中止になってしまったのですが「また明日見に来るから!」とファンの方から声をかけてもらい、翌日に集まっていただいた1,248人という数字は忘れられないですね。

ーそのなかで、市民の声や応援などはどんなふうに感じましたか?

中村:熱かったですね。私は神奈川や香川のチームでもプレーしていたのですが、北九州フェニックスのファンからは特別な熱量を感じます。フェニックスの選手は、北九州以外の出身がほとんどですが、選手みんなが口を揃えて「北九州市民は熱い!」と言っています。

矢野:北九州市は、もともと野球熱が高い地域です。私は、スポンサーセールスを担当しているので、企業の方々とお会いする機会が多いんですが、「野球好きだから応援してるよ!」という声をよく耳にします。

ーチームに加入するきっかけや、その際の決断に至った経緯を教えてください。

中村:北九州にプロ野球チームができると聞いたのは、2021年5月頃でした。そのとき私は、神奈川のチームに所属していました。地元でプレーしてみたい気持ちもありましたが、所属チームから引き留められていたのでとても迷っていました。シーズン終了を迎えて、北九州に帰って3日間だけ考えようと思ったんですが、新幹線で小倉駅に降りた瞬間「あ、ここでプレーしよう」という気持ちになりました。なぜそんなふうに感じたかはうまく説明できませんが、あの直感は間違ってなかったです。

矢野:前職は、人材派遣の企業で働いていました。規模も大きい会社でしたし、役職もあったので、正直転職は迷いました。ただ、私も子どもの頃から野球をしていましたし、何より地元で挑戦したい!と思ったんですよね。挑戦することを友人たちに相談すると多くの人たちが「がんばれ!」「応援するよ!」というメッセージをくれました。挑戦する人を後押しする市民性があるんですかね。とても嬉しかったのを今でもはっきり覚えています。

ーフェニックスのチームの特徴を教えてください。

中村:とにかく明るいのがチームの特徴であり、強みです。監督をはじめ、首脳陣が海外の野球を経験しているので、感情を全面に出したり、陽気な雰囲気のなか練習や試合に挑む姿があります。球場に足を運んでもらえれば、選手のプレーから野球の楽しさ、球場の熱気を肌で感じられる非日常を味わってもらえると思います。キャプテンとして、来た人を絶対に満足させてやるんだ!という強い想いでワンプレー、ワンプレーを大切にしています。

矢野:ほとんどの選手がNPB(日本野球機構)を目指してがんばっています。より高いレベルへ挑戦する姿は多くの人の胸を打つと思います。北九州というまちも、今、活性化して若い人が増えていますよね。挑戦する人が多いまちで、元気を与えられる球団だと思っています。

ーおふたりとも北九州市の出身ですが、まち自体の印象はどうですか?

中村:私は、18歳から県外へ出ていたので、このまちで生活するのが本当に久しぶりです。10年前はもっと、混沌としていた印象ですね。今は、いい意味で都市化されて、洗練された部分を感じます。でも、紫川の景色とか、活気ある繁華街とか変わって欲しくないところはそのままで、ホッとする部分もあります。
また、ご飯がおいしい、景色がきれいなど、ポジティブな要素が多いまちだと感じています。それだけで、明日もがんばろう!と思わせてくれるんですよね。まちの雰囲気が、背中を押してくれてるようで、そんな雰囲気が好きです。

矢野:他のまちに住んだことはないので、比較はできませんが、人情があるまちだと思います。旦過市場の火災がありましたよね。多くの市民が同じように悲しみ、自分にできることを探して行動に移す姿がありました。私たちも、すぐに瓦礫の撤去などの支援を提案したのですが、危険ということで、募金活動を実施したんです。募金とともにかけられる「旦過市場のためなら」「一緒にがんばろう」というみなさんの言葉が印象に残っていますね。

ー最後に、来シーズン以降の目標を教えてください。

矢野:来季からは球団は「北九州下関フェニックス」に改名します。下関市と北九州市は関門都市圏として昔から関わりが強いまちです。県を跨いでのフランチャイズは日本のプロ野球では史上初のことなんです。そんなふうに、新しい扉をどんどん開いて、私たちの活動が地域の活性化にもつながればと思っています。

中村:今シーズン、たくさんの応援をいただきました。ですが、北九州市民はもっともっと熱い想いやひとつになる力を秘めていると思っています。私たちが、全力でプレーし勝つことで、その熱い想いを引き出すことができると思います。そのためにも、球場に来ていただいた方々に、楽しんでいただけるように熱を届けていきたいです。

北九州下関フェニックス
球団副代表
矢野 勇太

北九州市出身。幼い頃より野球をはじめ、東筑紫学園高校へ進学し、プロ野球選手を目指した時期もあった。前職は人材派遣企業で営業職、管理職に従事。福岡北九州フェニックスの発足を機に、転職。球団運営に携わる。現在は、球団副代表を務め、地元企業や市民への認知度を高めるため奮闘中。

北九州下関フェニックス
球団キャプテン
中村 道大郎

九州市出身。戸畑高校、日本体育大学、香川オリーブガイナーズから神奈川フューチャードリームスを経て2022年福岡北九州フェニックスに加入。初代キャプテンを務める。常に野球を楽しみ、アグレッシブで前向きなプレースタイルで、ファンを魅了する。 趣味は釣り、お酒、音楽。