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会社経営(株式会社musuby)花田 弘毅 さん

会社経営(株式会社musuby) 花田 弘毅 さん

生まれも育ちも東京の花田さん。幼い頃から起業家への夢を抱き、20代で起業。その後、2022年に北九州市へ住居も事業拠点も移すことになります。きっかけは北九州市が実施していた「おためしサテライトオフィス推進事業」でした。やりたいことをカタチにした東京の生活を経て、縁もゆかりもない土地で、事業を展開し、さらに飛躍させるコツをうかがいました。

つながりやすいまちだから、たくさんの可能性を感じている。

ーこれまでの経歴を教えてください。

私は、東京で生まれ、育ちました。幼少期から漠然と「社長になりたい!」という夢を抱き、大学では商学部で学びました。就職はIT系の企業へ。開発業務に携わっていたので、残業もかなり多くハードでしたね。そんな多忙ななかでも、社会人2年目くらいに友人たちと渋谷でバーを開店したりと、東京の生活を楽しんでいたと思います。
その後、日本企業の海外進出をサポートする会社「株式会社musuby 」を立ち上げました。事業内容は、日本酒や伝統工芸品を海外、主にアジアに向けて発信し、販売すること。日本ならではの細やかさやモノづくりのストーリーなども含めて伝えることをモットーにしています。

ー北九州市に移住したきっかけを教えてください。

北九州に移住したのは2022年4月です。きっかけは、北九州市が実施していた「おためしサテライトオフィス推進事業」という事業を目にしたことにはじまります。この事業は、首都圏で事業を展開する企業が、その拠点を北九州市に移す際に、市がサポートをするというものです。特に惹かれたのが地元企業とのマッチングまでサポートしてくれるという点でした。なかなか手厚いですよね。また、交通費、宿泊費、ワークスペース利用料も助成してくれたので、とても助かりました。

ーご家族の反応はいかがでしたか?

妻は、九州の出身なのですが、賛成と反対で言うと50:50くらいだったと思います。コロナ禍で比較的自由な働き方ができているので、妻も転職せずに移住できました。家賃補助なんかも利用しましたし、今は満足しているようです。

ーはじめての土地で人脈や営業先を広げていくためにやったことは?

東京の生活からそうだったんですが、お酒を通じて人とつながることが多くて。行きつけの飲食店でよく顔を合わせる人と少しずつ話すようになって、次第に身の上話、仕事の話ができるようになるという感じです。堅苦しいのが苦手なんです。もちろんビジネスですので、責任と礼を持って接しますが、腹を割って話している感じが好きなんですよね。
実際に、北九州に移住してからも何軒か行きつけのお店を見つけました。おかげで、今後のビジネスを見越してつながりたいと思っていた地元の酒蔵とお知り合いになることができました。

また、『アトミカ』というコワーキングスペースをよく利用しています。ここは、普段の作業にくわえて、輪を広げられるような仕組みがあって。ここで会話をしていたら、地元の大学生や企業、デザイナーを紹介いただけました。全てが形になるわけではないですが、人との繋がりが増えることで色々な取り組みにもチャレンジしていきたいです。
特に、北九州市は若者の流出も多いと思うので産学連携のような形でプロジェクトを行っていきたいと思います。
北九州に来て感じるのは、ビジネスの決裁者やキーマンに会うまでのスピードが早いということです。東京では、何人もの人を介してやっと出会うことができていたような人に、北九州では「あ、それなら会わせてあげるよ」という具合に話が進むことが多いように感じます。コンパクトなまちだし、夢や目標を語る人を後押しする人たちがたくさんいるんですかね。今後、飲みに出かけて、キーマンと出会う機会も増えると思うとワクワクしますね。

ー北九州市の食文化はどう感じていますか?

まず、魚介類をはじめとした食材が新鮮ですよね。しかも、それが手頃な値段で味わえる。それから、名物ぬか炊きも最高のおつまみだと思っています。お酒が好きなわが家にとっては、天国みたいなところですね。

ーズバリ、移住して良かったと思いますか?

良かったと思いますね。仕事面では、私みたいに海外進出支援をしている人がほとんどいないように感じています。ライバルが少ないのはやりやすいですし、可能性がたくさんありますよね。その反面、モノづくりや酒蔵のレベルは高いので、今後の展開に大いに期待しています。

生活面では、コンパクトで、特に小倉駅周辺で生活に必要な物ほとんどが手に入る便利さを実感しています。実は、私と妻は車の免許を持っていないのですが、自転車や公共交通機関で不便さを感じることなく、移動しています。また、東京在住時によく乗っていた満員電車ともさよならできて、嬉しく思っています。

ー最後に、北九州市への移住や転職を考えている人にメッセージを。

私たちは東京からの移住者ですが、不便さを感じることなく生活できています。余程、大都会じゃなきゃダメ!という人は別ですが、何の問題もなく過ごせるまちだと思います。
先日、大阪へ行ったのですが、人の多さに疲れちゃいました。北九州というまちが、いかに都市機能を持ちながら、ゆったりしているのかを改めて感じました。この心地良さを体感して欲しいと思います。

会社経営(株式会社musuby)

花田 弘毅

東京都生まれ。幼い頃の夢は、社長になること。大学卒業後、IT系の企業に就職。在籍中にバーを開店するなど、起業家の道を歩みはじめる。その後、2017年に日本企業の海外進出をサポートする「株式会社musuby」を立ち上げる。2022年には北九州市に移住し、事業拠点も移転。これまでに培った経験や広い視野で、地元企業の海外展開支援や、商品開発支援など活躍が期待される。