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アパレルショップ/飲食店オーナー 竹馬翔 さん

アパレルショップ / 飲食店オーナー 竹馬 翔 さん

北九州市小倉南区で生まれ、洋服が大好きだった竹馬さんは服飾の専門学校へ進学。卒業後、老舗のアパレルブランドでの修行期間を経て帰郷。開業資金を稼ぎ、27歳で起業し、アパレルや飲食店を手がけています。お話を伺うと、多くの人を巻き込んで、共感を生み出し、広くはないまちで手広くやりたいことを続けるためのヒントがたくさんありました。

ビジネスよりも、自分の好きなことを。コンパクトなまちで起業し、続けるコツ。

ー小倉の高校を卒業後、大阪の専門学校へ進学されたんですね。

そうですね、昔から洋服やファッションが好きで、将来はアパレルの道へ進みたいと思っていました。もともと、モノづくりへの興味も強くて、販売よりは作る人になりたくて、大阪の服飾専門学校へ進学しました。ファッションの専門学校って、華やかで楽しそうに聞こえるでしょ?でも、実際は課題や試験に追われて、4年間はとっても大変でした。寝る暇もほとんどないみたいな。自分は高校球児だったので、根性とか忍耐とか結構自信あったんですけど、専門学校時代が人生で一番しんどかったですね。でも、そこで妥協なきモノづくりへの想いとか、今の基盤ができたと思います。大阪のまちの印象はあまりありませんね。忙しかったから、遊ぶ時間もありませんでしたから。
卒業後は、老舗のアパレルブランドに就職しました。その会社を選んだ理由は、デザイン、製造、販売まで一貫して行っているから。そこで2年半ほど働いて退職。地元である小倉に戻りました。

ー地元に戻ることはずっと前から考えていたんですか?

自分は、やりたいことがいっぱいあるんですよね。自分のお店を出したいとか、いつかは海外を舞台に活躍したいとか。地元愛が強いのはもちろんなんですが、まずは、やりたいことを実現するための「拠点」が欲しかったので、小倉に戻ったんです。小倉をはじめとする北九州は、交通の便のも良いし、コンパクトなまちです。だから、何かアクションを起こしたら、バッと広まりやすいんですよね。だから、発信がとても大事になってきます。
コロナ禍の初期の頃って、マスクがお店から消えたじゃないですか。そんなとき、自分はミシンが使えるので「欲しい人にマスク作って無償で差し上げます」って発信したんです。そしたら、テレビや新聞がたくさん取材に来てくれて。注文が殺到して、とんでもないことになりました。材料も無くなったのですが、美容室がゴムを、医療機関がガーゼを寄付してくれて、結果として3000枚以上のマスクを配布できました。信念を持って、上手に発信すれば、多くの人を巻き込んで、大きな波を起こせると確信しましたね。

ー27歳で起業したそうですが、どんなお店にしようと思いましたか?

小倉北区のメルカート三番街というところに「CANDY」というお店を出しました。ミシンを置いて、自分がデザインした服を作っています。それ以外にも、古着屋さんが仕入れてきた商品のリペアもしますし、OEMの受注もします。
また、店内には、DJブースがあり、バーカウンターがあります。工房であり、人が集える場所です。そして、2021年10月には小倉駅前に「LINDA」というダイニングバーをオープンさせました。

ープロデューサーの顔と職人の顔、両方お持ちなんですね。

自分自身は、チクチク縫ったり細かい作業が好きなんです。でも、ファッションは洋服だけじゃないと思っていて。どんな服を着るか、どんな音楽を聴くか、どんなお酒を飲むか、というライフスタイルがファッションなんです。それを提案して、発信していきたいと思っているんですよ。その人が朝起きて、寝るまでをプロデュースできたら、人生が楽しくなる、まちが明るくなると思っているんですよね。だから、売れる服や流行る飲食店のようにお金儲けじゃなくて、自分が好きなもの、本当にいいと思っているものを発信し続けたいんです。

ーあらためて、小倉の好きなところを教えてください。

ファッションの観点から言うと、小倉はいろんなものがミックスされています。例えば、福岡市や東京だと、ジャンルや系統でわけられて、ジャンルごとにしか付き合いがないような感じです。それが、小倉だとジャンルの垣根を越えて、いろんな系統の人たちの交流が盛んです。
セレクト系や古着系など、みんな服が好きという共通点でつながれているんでしょうね。それがこのまちの個性なんですよね。何系というよりは、自分!というファッションを大事にしているように感じます。
また、コンパクトなまちなので、アクションを起こせばすぐに広まります。逆に言えば、続けていくことが大切になってきます。大事なのは、何をやりたいのか?どうなりたいのか?を明確にして信念を持つこと。自分もそこをしっかり持って、このまちでやりたいことをどんどん実現させていきたいですね。

アパレルショップ / 飲食店オーナー

竹馬 翔

北九州市の高校を卒業後、大阪の服飾専門学校へ進学。卒業後、就職先の老舗アパレルメーカーにてファッションの真髄を心得る。
その後、帰郷し27歳のときに起業。服づくりを中心に、自身が「かっこいい」と思うライフスタイルの提案を行っている。2021年10月にはダイニングレストランをオープン。今、注目の小倉の中心人物のひとりとして活躍している。