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古着店オーナー 池部 哉太 さん

古着店オーナー 池部 哉太 さん

北九州市門司区で育った池部さん。自分で古着屋をオープンさせたいという夢を持ち、大学在学中に出かけたヨーロッパ周遊へ。帰国後に、門司区にて小さなお店を開店。そこからどんどん好きなことを実現させ、そのチカラは多くの人を巻き込んでいます。池部さんが2021年4月に移転オープンさせた小倉のショップ兼ギャラリーで、やりたいことを叶える楽しさや秘訣を伺いました。

好きなことを、ただ、まっすぐに。気が付けば仲間が増えているまち。

ー池部さんは、大学生のときに起業されたと聞きました。どんな経緯だったか教えてください。

自分では、起業したという意識はないんです。ただ好きなことをやっているという感覚ですね。高校生の頃からファッションに興味があって、いつかは古着屋をオープンさせたい!という夢がありました。高校を卒業後は、経営を学べる市内の大学へ進学。2年生の春休みに、後に妻になる彼女とヨーロッパ周遊の旅に出ました。

帰国後、門司区に住んでいた祖父母の家の空き部屋で週末だけ古着屋をオープンさせました。わかりにくい場所だったのですが、Twitterで発信したりフライヤーを作って置かせてもらったりして告知をすると、想像以上の来店がありました。
また、イベントも開催して、人との出会いに恵まれました。その当時出会った人たちとは今でも仲良くさせていただいてます。

ーヨーロッパ周遊は初めての海外だったそうですが、どんな印象でしたか?

もともと、ヨーロッパの古着が好きで、イギリス、ベルギー、フランス、スペイン、イタリアをバックパッカーみたいな感じで周遊するなかで、たくさんの刺激を受けました。当時は英語もまったく話せなかったのですが、道に迷って地図を広げていると、地元の人たちが話しかけてくれて。行きたいところへ連れて行ってくれたり。そのあたりのフレンドリーさやオープンな感じは、北九州市民と同じものを感じたり。
また、周遊中はゲストハウスに泊まっていろんな人と交流しました。マルシェに出かけ、観光も楽しんだりと、とにかく刺激的でしたね。

ー海外へ出て、視野も広がったと思いますが、出店する場所は北九州市以外の選択肢はなかったんですか?

まったく考えなかったですね。あまり都会への憧れがないので、地元北九州でやることしか考えませんでした。コンパクトで、ちょうどいい都市の規模なので、自分としてはやりやすさを感じています。二人三脚でお店をやっている妻も北九州出身なので、このまちしか選択肢はありませんでしたね。

大学卒業後に、小倉魚町の「メルカート三番街」というリノベーションビルでショップBloomy D ays V intageをオープンさせたのですが、家賃が安いので、諸用費も抑えられましたし、開業しやすい条件が揃っていて、まち全体で新しいことを支援するような印象があります。

ー順調に夢を叶えているように見える池部さんですが、そのコツはありますか?

まだまだやりたいことがたくさんあるので、順調かどうかはわかりませんが。
2021年の4月に現在の場所へ移転してきました。3階建てのビルなのですが、1階はイベントや出店ができてギャラリーにもなるフリースペース。2階は古着屋、3階は住居です。実は、こんな物件に移転できたらいいな、と思っていて、それをノートに書いていろんな人に見せていたんです。すると、本当に物件が見つかって。周りの人たちが「ずっと言ってた夢だから手伝うよ!」という感じで、改装やペンキ塗りに加勢してくれました。
振り返ると最初に古着屋をオープンさせるときも、周りの人に夢や目標を語っていたら、メルカートの空き店舗の紹介を受けました。がんばっている人や目標を持っている人に対して、このまちの人たちは優しいんでしょうね。
コツがあるとすれば「やりたいことを人に言ってみる」ことでしょうか。話すことによって前進するものは多いような気がします。

洒落者市2019 開催日程: 9月28日(土)〜29日(日)
会場: 福岡県北九州市小倉北区室町1-1-1 リバーウォーク北九州

ー池部さんが主催していた「洒落者市」も人のつながりが生んだ賜物だったようですね。

「洒落者市」は2014年に始めたファッションを中心にしたイベントです。最初は3店舗の参加だったのですが、人と人がどんどんつながって、最終的には小倉の商業施設「リバーウォーク北九州」に60以上のブースが集まりました。「ファッションで、若者をまちを盛り上げたい」という目標は達成できたかなと思います。

ー最後に、今後の目標ややってみたいことを教えてください。

幼い子どもがいるので、未来へつながることに関心があります。屋上でオーガニックの野菜やハーブを育てる計画をしています。それから、イベントスペースでは読書会や勉強会を開催して、学びのある時間をつくっていきたいですね。個人的には、これまでにいろんな人に助けてもらったので、若い人たちを応援する立場になりたいと思っています。

古着店オーナー

池部 哉太

北九州市立大学に在学中、ヨーロッパ周遊へ出かけ海外の古着や音楽、カルチャーに触れる。帰国後に自ら古着店をオープンさせ、ファッションイベントも主催するように。そのイベントは60店舗が参加するまでに発展。現在は、奥さまとふたりでビルを一棟借りてギャラリー兼古着店を経営している。