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プロサッカークラブ スタッフギラヴァンツ北九州 さん 

プロサッカークラブ スタッフ ギラヴァンツ北九州 さん (左)奥本 すみれ さん (中央)西村 望 さん (右)永由 杏 さん

地域に密着して、Jリーグを舞台に多くのファンとともに戦うギラヴァンツ北九州。そんなチームを支える3名のスタッフは、それぞれ異なる道を歩み、現在はチームのために、まちのために力を発揮しています。その原動力は、サポーターやパートナー企業から伝わる地元愛。試合のたびに、熱狂のそばで働く3人には、このまちの熱気や情熱はどのように映っているのでしょうか?

近くで、地元愛を感じるポジション。チームのために、このまちのために。

ーギラヴァンツ北九州を支えるみなさんですが、それぞれどんなお仕事をしていますか?

西村:私は、幼稚園や小学校に出向いたり、スクールの子どもたちにサッカーを教えています。昼間は、事務作業などもありますが、基本的にはコーチ業がメインです。また、ビーチサッカーの現役選手でもあります。2022年の夏には、選手として海外のチームでプレーしました。

奥本:私の場合は、パートナー事業部に所属しているので、主に民間企業様への営業を担当しています。北九州は地域に根ざした企業が多く、ギラヴァンツを自分のチームだと思ってくれて応援する企業がとても多いまちです。私は熱を近くで感じられるポジションだと思っています。

永由:私は、社会連携推進部に所属しています。ギラヴァンツは、ホームタウン北九州市のほかに近隣17の市町とフレンドリータウンとして連携していて、その地域の方々にもっとチームのことを知って応援してもらうために地域の方々と一緒にSDGsをはじめとする様々なプロジェクトを実施したり、トップチームの選手と一緒に学校を訪問して夢授業を開催するなど、仕事は多岐にわたります。

ー市民や地元企業と接する機会が多いと思いますが、まちの人々の印象はいかがですか?

永由:北九州市をはじめ、近隣のまちへ行くことが多いなかで感じるのは、あたたかい人が多いということです。私は長野県出身で、大学進学で東京へ。その後、オーストラリアへ1年間サッカー留学をし、福岡市内で就職。そして、ギラヴァンツに転職するタイミングではじめて北九州市に来ました。商店街などの人もよく声をかけてくれて、ちょっと髪型を変えたら気づいてくれたり、それまでサッカーに興味がなかった人が「この前の試合勝ったね!」と喜んでくれたりと、受け入れてくれる文化が根付いているんだろうなと感じています。これはいろんな土地に住んだ私だからこそ感じることかもしれませんね。

奥本:私はサポーターや企業と接する機会が多いのですが、みなさん、まちに対して誇りを持っていると感じます。また、企業は地域経済を支えているような歴史や実績のある会社が多いですね。今、SNSを使って、サポーターと企業、スポンサーが交流できるような取り組みをしています。ある地元の老舗企業がスポンサーになってくださったのですが、その瞬間にサポーターたちが大喜びしている姿がSNS上で伝わってきました。そういう地元のお祭りであったり、食べ物、モノや企業に対する愛もすごく強いな、と思っています。それがギラヴァンツ愛にもつながっているので、とっても嬉しいです。

ーサッカーを通じて北九州市のみなさんへ伝えたいことは?

西村:子どもたちにサッカーを教えているので、勝ち負けも大切ですが、サッカーを通じた人との出会いや、嬉しいできごと、悔しい思い出などを大切にして成長していって欲しいと思っています。いろんな地域でスクールを開催するんですが、子どもたちは元気いっぱい。サッカーを楽しむ姿を見ると、私も選手として活力をもらえますね。 10年前にサッカーを教えていた子が、いまだにギラヴァンツを応援してくれて、また、私の選手としての活動もしっかりと見てくれているんです。サッカーはひとりではできないし、いろんな仲間やライバルとの出会いが待っています。スタジアムに足を運ぶのも、自らプレーするのも楽しみがいっぱいです。そういうことを伝えていきたいですね。

奥本:ギラヴァンツの本拠地『ミクニワールドスタジアム北九州』は小倉駅のすぐそばにあります。海沿いに建っているので、北九州のことを知らない人たちへ海に面したまちであることが伝わる立地です。ギラヴァンツを入口に、県外の人たちにまちの良さが伝わると良いな、と思っています。
実は、私はサッカー経験がないんです。でも、スタジアムに足を運んだときのライブ感、非日常感に虜になったんです。そんなエンターテイメントが、ドキドキわくわくが、身近で起こっていることをこのまちのみなさんにもっと伝えたいです。

ー生活してみて、働いてみて、まちの印象はどうですか?

奥本:私は近隣のみやこ町の出身です。幼い頃から小倉に遊びに来る機会が多く、私の目にはキラキラしたまちに映っていました。それは今も変わらず、買い物や食事、美容室など駅前ですべて済ませられる点が気に入っています。

永由:高齢者が多いまちだと聞きました。それは決してネガティブなことではなく、ポジティブに考えれば、どんな人にも暮らしやすいまちだということです。自然も身近で、食べ物もおいしいという印象。ただ、甘い醤油はちょっと苦手です。また、コンパクトなまちなので伝わるスピードも早いと思います。サッカーのおもしろさがもっと、たくさんの人に届いて欲しいですね。

ー最後に、今後の目標を教えてください。

西村:女子サッカーの受け皿が減っています。ギラヴァンツからサッカー熱がこの地域に根付いて、女子サッカーをはじめとした裾野が広がっていって欲しいですね。また、ビーチサッカーには女子日本代表がありません。たくさんの人がその発足に奔走中です。私もここ北九州から日本代表の発足に貢献したいと思っています。

奥本:スポンサーセールスがクラブの収入の大きな割合を占めています。収入が増えれば、そのぶん戦力強化や施設、設備に大きな金額が使えます。だから、私のがんばりがチームを強くすると信じて、多くの地元企業にこの熱を届けていきたいと思っています。

永由:私は、スポーツ業界で働くことをあきらめられずに、転職してきました。この業界の楽しさを存分に味わうために、もっと近隣地域の人たちにスタジアムへ足を運んで欲しいと思っています。そのために市内をはじめ、周辺自治体を走り回ります。

ギラヴァンツ北九州 スタッフ

西村 望

福岡県宗像市出身。小学4年生のときにサッカーを始める。その後、ニューウェーブ北九州レディースに入団。それと同時に株式会社ギラヴァンツ北九州に入社。2013年、愛媛FCレディース移籍にともない一度は離職するも、現役引退を機に復職。ギラヴァンツ北九州ではサッカースクールのコーチを務めながら、ビーチサッカーの選手として海外にもチャレンジしている。

永由 杏

長野県出身。小学1年生のときにサッカーを始める。東京の高校、大学と進学し、大学生のときには、1年間休学してオーストラリアへのサッカー留学を経験。大学卒業後は、福岡市内で就職。
その後、株式会社ギラヴァンツ北九州に転職しスポーツ業界で働く目標を叶える。現在は、市内をはじめ、近隣自治体との連携を深めている。

奥本 すみれ

福岡県みやこ町出身。大学進学を機に福岡市へ。そのまま福岡市内の広告代理店に就職。その後、地元の近くで働ける環境を求めて株式会社ギラヴァンツ北九州に転職。スポンサーセールスの他、サポーターや観戦初心者と同じ目線に立ち、SNSなどで集客、新たなファン獲得に奔走している。